ハルキ

と言っても劇団ひとりのヤンキーキャラちゃうよ。好きですけどね、川島くん。劇団ひとりって言いにくいよねーだから川島くんと言っているけど、全然別人に聞こえてしまうのが不思議である。
それはさておき。
タイトルに書いたのは村上春樹
私は本を読みません。全然読みません。
活字は好きです。
思えば小学校のとき、読書週間というのがあって、何冊合計何ページよんだかを競うようなイベントがあった。私は負けず嫌いだったのでもちろんいつもトップにいた。
私の自慢は文字を読むのが早いということ。
漫画も早く読める。
母親が言ってた。保育園のときに他の子がたどたどしく絵本を読んでるのにあんたはすらすら読んでたって。
本を読むのは嫌いじゃない。
ただめんどくさい。
新しく開拓するのが。
読み出してつまらなかったらどうしよう…とか思うのです。読むのやめりゃいいだけの話か。
あと、本がいっぱいありすぎてどんなのを読んだらいいかわからない。
自己啓発本?小説?ベストセラー?そして誰のがおもしろいの??
私にはあまり文学のことに対して知識がなく、作家の名前もあやふやだし、その人の代表作品の題はわかってもどんな話なのかとか全然知らない。
そんななか、なぜか村上春樹の本だけ何冊か持っている。ほんとになぜか。
なんで買ったんだろう。大学一年生の時だった。
今まで彼の本も読んだことがなかった。
ただノルウェイの森で有名な作家、という認識しかなくて。
ノルウェイの森ですらどんな話なのかまったく知らなかった。
3年くらい前、恋を何年休んでますかっていうドラマの中で使われてて赤と緑の表紙が印象的だった。
大学一年の9月か10月くらいが一番精神的に参ってて、食料を買いにいくぐらいしか部屋から出なかった。
そんなとき近くの商店街の小さい本屋で彼の新作・海辺のカフカをみかけた。
ハードカバーの小説なんて買ったことない私。でもなぜか惹かれた。
多分その有名な村上春樹の新作を買うという自分に酔いたかったのかな。
それから私は彼の本を何冊か買い出した。
一日中部屋にいるけどやることもないから1日で本を読むのは簡単なことだった。
だからすごい短い期間でいっぱい集めた。
そしてずっと読んでた。
すきなの?と聞かれると返答に困る。う〜〜ん、好きなのかな??
多分その時の私の波長にあってたんだと思う。
時がたって、私も元気をとりもどしはじめてから読み返そうと思ったことはなかった。
一番辛いときの気持ちを思い出しそうで、あまり触れたくなかった。
そう、私の中で彼の小説は幸せいっぱい!!っていうときに読むものではなかったのです。
自分の中の暗い気持ち、ずっしりと重い何かを、その小説の世界に同化させ埋もれさせようとしていたかもしれない。
最近、電車の中吊りで海辺のカフカが文庫本になったことを知った。
あぁ、文庫になったんだ。
あれ?私買ったはずなのに、今持ってないなぁ…あ、友達に貸したんだった。
そんなことを思い出した。
働き出してひとりでもてあましてしまう時間がけっこうあることに気づいた。
ぼーっとしてればときはたつけど、なにかしたいような気もした。
本でも読もうかな、そう思ってたときだったから久々に持ってた村上氏の文庫本を取りだした。
どれにしようか。まぁ久々だからな、ダンスダンスダンスくらいにしとこう。
そう思って時間をみつけて最近読んでいる。
不思議な感じ。
昔読んだときは辛くて現実逃避のひとつとして読んでた。
でも今は純粋に小説として、自分の感情と切り離した状態で楽しむことができてる。
そして改めて作家ってすごいなって思った。自分も文章を人様の目にふれるところにさらしてるから、よくこんな風にかけるなぁと感心する。
やっぱ活字はいいね。しかも小説がいい。やっぱ好きかもしんない、村上春樹
でも他の本を読んだことがないから誰とも比べられない。誰かこれを読むといいよと教えてほしい。
ちなみにせかちゅーとかそういうのはいいやって感じ。恋愛中心は今はあんま読みたくない。
帰りの電車でダンスダンスダンスの上巻を読んでいた。浮かぶイメージはすごく不思議というか幻想的というか…現実的でないような風景。でもそれを現実として受け入れている。うまくいえないけど、違う世界で何かに包まれてるような気分になる。
したら、夜家まで帰る道、すっごい霧なの!!濃霧!すっごいの。あんなにすごい霧はじめて。10m先もぼんやりしか見えない。車のライトの範囲しか見えないの。
びっくりした。
私が村上春樹なんか読んでたから本当にどっか違う世界にきちゃったの?!
世界がぼやぁ〜〜〜ってしてて、目をこらしてもすべてのものがはっきりと輪郭をあらわさない。
信号や電灯の明かりが空気中の霧で反射してその光がすごく大きなかたまりのように実体化して見えて、そこを通りぬけると光の球に包まれてどこかに連れてかれる!と思った。
通いなれた道なのに、とにかく幻想的な空間だった。
運転してた母親はひたすら前が見えんからこわいこわいって言ってたけど、私はひそかに楽しんでいた。
私にもっと文学的才能があったらば…あの情景を綺麗にえがけるのに!
村上さんになりたかったよ。
ほんとにびっくりした。でも素敵だった。どきどきした。
暇な時に図書館でもいこうかな。読書熱に火がついた気がする。
私は熱しやすい女なんでね、す〜ぐ熱くなれまっせ!
ということでまとまりはないけど、オワリ。